蓄電池付太陽光発電とエコキュートのセットのメリット、デメリットとは!?
2001年に日本で初めて製品化され発売された住宅用エコキュートは、省エネ性とエコを売りに現在では国内累計出荷台数は700万台*となっています。また、エコキュートに貯めたお湯は、非常時の生活用水(飲料水としては使用不可)としての活用も可能なため、有効性が拡大しています。
従来は夜間の安い電気をつかいお湯をつくることが主流でしたが、太陽光発電の普及とともに太陽光で発電した電気を利用して昼間にお湯をつくるという選択もあるようです。また、停電リスクに備えて家庭用蓄電池と併設することで、災害等でも電気やお湯が使えるなど安心・安全のために蓄電池もセットでと考えるひとも少なくないようです。
ここでは、太陽光発電システムとエコキュートが既にご家庭にある方で、蓄電池を導入した場合、どのくらいメリットがあるのか、もしくは向いていない家庭があるのかをご紹介します。
*出典:一般社団法人日本冷凍空調工業会 2020年6月末時点
蓄電池付太陽光発電とエコキュート
エコキュートは熱エネルギー技術を利用して外気の熱でお湯をつくることができる電気給湯機で、冷媒として二酸化炭素を使用しているため環境にもやさしい商品です。2000年以降、太陽光発電システムとエコキュートがセットで各メーカーから販売され、夜間の安い電気を使ってエコキュートでお湯を作り・保温し、昼間は高くなりがちな系統からの電気は使わずに太陽光発電による電気を使っていました。そして、昼間に太陽光からの電気を使って余った電気は固定価格買取制度(FIT)のもと売電をしていたというのが一般的です。
太陽光発電システムとエコキュートがセットである家庭が多く、FIT満了になると売電単価が大幅に下がるため、昼間の余剰電力は売電するのではなく蓄電池に貯めて、夕方以降に使用したいといったニーズも少なからずあるようです。
また、エコキュートは給湯タンクとしての役目を果たすことから、災害時などの生活用水(飲料水としては使用不可)にもなります。しかし、停電や太陽が少ない梅雨等の時期でも蓄電池があれば常に太陽光からの電気を貯めて、お湯として貯められるため、防災の観点でも蓄電池を導入する方も少なくありません。
蓄電池付太陽光発電とエコキュートをセットでお勧めする理由
-FIT終了後の余剰電力を活用できる
終了後は売電単価が大幅に下がるため、余剰電力をどう活用するのかが課題となってきます。
昼間の余剰電力をエコキュートで活用する方法もあります。エコキュートの外気でお湯を沸かすという特性上、気温が高い方が効率が良いため、夜間よりも昼間にお湯を作った方が効率が良いことになります。昼間の余剰電力はエコキュートに使用し、それでも余った分は蓄電池に貯めることで、夕方以降は蓄電池からの電気として使用することができます。
一方で、昼間の余剰電力は蓄電池に溜めて、エコキュートは従来と変わらず夜間の安い電気で沸かすという方法もあります。エコキュートの働きは従来と変わらないため、シンプルに、これまで売電していた電気を蓄電池に溜めて必要な時に使用するとった活用です。
夜間にエコキュートを沸かすだけの電気が蓄電池に残っている場合、夜間の安い電気を使用せず蓄電池からの電気まで利用できるかもしれません。
-停電時でも蓄電池から電気を供給できる
太陽光発電が少ない時間帯や夜間の安い電気も、蓄電池に溜めておくことできるので、停電のときでも電気を賄えることができます。
防災の準備アイテムとして、「水・食料・電気」が日ごろから備えておく必要があると言われています。水はエコキュートがタンクの役目を果たすため、生活に必要な水を確保することができます。食料は保存がきく食品等を用意しておくことができますが、電気は系統からの電気が遮断され停電になると、太陽光発電システムがある家庭でも太陽が出ていない時間帯は電気をつくることができないため電気を溜めておく機能がある蓄電池があると良いでしょう。
蓄電池は太陽光からの電気だけでなく、夜間の安い電気も溜めることができるため、天候に左右されることなく蓄電池を常に溜めておくことができます。
これまでは夜間の安い電気はエコキュートのお湯を沸かすために使っていたのが、蓄電池に溜めて有事に備えることもできます。
蓄電池付太陽光発電とエコキュートのセットをお勧めできない家庭
太陽光発電システムが2~3kWhと比較的限られた容量のご家庭で、昼間に在宅していることが多い家庭は、昼間の余剰電力があまり見込めないため蓄電池の必要性はあまり感じられないかもしれません。 エコキュートも蓄電池も電気を活用できる機器には変わりはないため、太陽光で発電して昼間の電気をいかに活用するのか目的によって、蓄電池導入は変わってくるでしょう。
エコキュートの補助金
エコキュートは二酸化炭素を使うことから、環境省より二酸化炭素排出抑制にかかる補助金などもあり、今後も国(SII)から補助金がでる可能性もあります。また自治体別にエコキュートの補助金がある場合もあるため、是非お住まいの自治体のホームページをチェックするなどして情報を確認することをお勧めします。設置工事の費用がかかる場合もあり機器の価格をおさえるためにも補助金を最大限活用しましょう。 例えば、東京都では「東京ゼロエミポイント」というポイント付与型の補助事業をおこなっています。エコキュートの導入で、1万ポイントが付与され、1ポイントは1円に換算されるようです。1万ポイントの内訳は、LED割引券1,000円分+商品券9,000円分となっています。