家庭用蓄電池のメリット・デメリットとは?蓄電池検討のきっかけはFIT終了だけど停電への備えとしても

固定価格買取制度(FIT)を利用している方、もしくはFIT満了後で余剰電力の取扱いに悩まれている方も多いと思います。 10年間の余剰電力買取期間満了後には、「自家消費」、「売電先を変更して売電を継続」、「売電先を変更せずに売電」など、お客様によってそれぞれ選択をされているようです。ここでは電気の自給自足となる「自家消費」の選択をおこなった際のメリット、デメリットを解説します。

  • メリット
  • 停電時でも蓄電池からの電気の供給でいつもと変わらない生活を
  • 余剰電力をうまく活用し電気の自給自足
  • 異常気象の原因とされる地球温暖化の防止
  • 停電時でも蓄電池からの電気の供給でいつもと変わらない生活を

    スマートソーラーで行ったアンケートによると、蓄電池の購入理由の1位は「固定価格買取期間が満了するから」、2位は「自然災害などで不安を感じたから」という順位となっており、既に太陽光発電システムを設置されている方の多くが、昨今多発している自然災害へ不安を感じており、災害による停電への懸念もされているのではないでしょうか。

    蓄電システムを導入したい理由(複数回答)

    スマートソーラーが太陽光発電システムを設置されているお客様向けに2020年1月~4月に行ったアンケート結果

    太陽光を設置されている方であれば、昼間に停電した場合は太陽光発電からの電気を賄える可能性はありますが、日没から日出までの時間帯といった夜間や早朝、晴れていないときの停電の場合は太陽光発電からの電気を供給することができません。 最近では、台風や大雨など気象予報により事前に自然災害時の停電リスクに備え、蓄電池が充電を開始し満充電にすることで、万が一の停電に備える機能がある蓄電池もあります。そうすることで、太陽光発電からの電気の供給が期待できない場合でも、蓄電池からの電気を使って万が一に備えることができ安心です。

    余剰電力をうまく活用し電気の自給自足

    これまで高い売電単価で電気を売ることができていましたが、FIT満了後はかなり低い売電単価で電力会社へ売ることになり、売電収入としては大幅に下がることになります。東京電力エナジーパートナーの場合、これまで売電単価48円/kWhであったのが、FIT終了後は8.5円/kWhとなり、年間の売電収入としては約8割ダウンで、太陽光パネルが4kW程度設置されているご家庭では年間で約11万円※1以上も下がることになり問題になっています。

    一方で、電気料金はここ数年上昇し続けており、2020年度の住宅用太陽光発電の買電単価は約27円/kWh※2となっています。 家庭に設置されている太陽光発電システムでつくられた電気の価値を、8.5円/kWh(売電単価)ではなく、買電単価の約27円/kWhとなるようにしたいと思いませんか?そのために蓄電池を導入し、太陽光でつくられた電気を自宅で使うことで電気の自給自足も可能にしつつ、電気の価値を上げることにもつながります。 さらに太陽光パネルでつくって余った電気や割安な夜間の電気を蓄電池にためて、昼間の高い電気は買わずに蓄電池からの電気を使用することで、高騰する電気代も減らすことができます。

    *売電単価は各電力会社のホームページ参照。(※2020年1月時点) ※売電単価には、消費税相当額(10%)を含みます。 ※1 設置方位南向き、傾斜角6寸(約30℃)、年間推定発電量4,000kWhのうち30%を自家消費、余った70%を48円/kWhで売電、年間の自家消費量1,200kWh・売電 2,800kWh、1ヶ月あたりの売電量233kWh・電気使用量450kWh、東京電力エナジー パートナー「従量電灯B」(2019年11月時点の単価)と想定。 ※2 経済産業省資料「大手電力の電気料金平均単価の推移」を参考に計算

    異常気象の原因とされる地球温暖化の防止

    記録的大雨や日照不足といった昨今の異常気象を引き起こす原因のひとつとして考えられているものに、化石燃料の燃焼により発生する二酸化炭素(CO2)に起因した「地球温暖化」があります。電力会社から購入する電気は、化石燃料由来の電気であり、その電気を購入することは環境に悪い電気を使用することになります。 自宅の屋根の太陽光パネルで発電したクリーンな電気を蓄電池にためて、足りない時に使えば、それらの環境に悪い電気の量を最小限に抑え、地球温暖化の防止に貢献できます。

    蓄電池は価格が高い

    前段で蓄電池を導入することのメリットをいくつかあげさせていただきましたが、蓄電池は高額というイメージがあるのも事実です。確かに、数百万円もする機器でありますし、今すぐに購入できるものではありませんが、クリーンエネルギーの代表格である電気自動車(EV)の普及とともに、電気の開発・生産が進化し、蓄電池の価格は世界的に見ても徐々に下がってきています。 そのような中で日本でも価格競争が始まっていて、蓄電池の価格が下がってきているのは良いことです。海外製だとテスラが安いですが、日本製だと太陽光専門会社であるスマートソーラーが大容量の10kWh以上でありながら価格は約150万円(工事代含む)と非常におもとめやすい価格を2019年度には発表し提供しています。 家庭用蓄電システムには国の補助金制度があり、その補助金対応機器になるためには、国が定めるシステムの1kWh当りの目標価格が定められていて、その価格は年々下がっています。目標価格をできるだけ安く設定することで一般消費者の方に蓄電池を購入しやすくすることが狙いとなっています。

    蓄電池の価格表示がわかりにくい

    家電量販店にいくとオープン価格といった表示をしているものも多くあります。オープン価格はメーカー側が希望小売価格を定めていないため適正な価格なのか判断しづらいものです。 家庭用蓄電システムでも、オープン価格やメーカー希望小売価格といった表示もあり、どこで買うと一番安く手に入るのか迷ってしまうこともあり、自宅を施工した会社や販売店に相談されている方もいらっしゃるかと思います。 そして、蓄電システムは蓄電池の価格以外にも、購入した蓄電システムの設置できる環境を確認するために現地調査費用や取り付け工事費用といったものが別途かかることがあり、工事費用もいくらくらいかかるか把握しておく必要があります。 先ほど紹介したスマートソーラーでは、メーカー直販であるため、定価はそのまま変わらないうえに、各機器の値段や工事費用も開示しているため、わかりやすい価格表示となっています。

    蓄電池の設置場所を確保する必要がある

    家庭用蓄電システムは蓄電池以外にも複数の機器で構成され、それらがセットされて初めて稼働することになります。横幅40cm~100cm、高さ85cm~125cm、奥行き12cm~37cmと比較的大きな機器を屋内または屋外に設置することになるため、設置場所を確保する必要があります。屋外であれば、出来るだけ直射日光が当たりにくい北側等設置できる場所が限られているうえ、エアコンの室外機やエコキュートといった機器も既に設置されていることも多く、限られたスペースや条件でシステム機器を設置することになります。 また、これまでの蓄電池の設置には、クレーンでの運搬をするなどで狭い場所への設置は困難でした。スマートソーラーは、スタック構造(積み重ね方式)にすることによって蓄電池を分割して運ぶことができるタイプです。三人以上掛かりだった設置方法も二人で設置可能となり、従来の蓄電池で採用されている一体型に比べて、工事費用を抑えることができます。


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