京セラの家庭用蓄電池の単機能型12kWhの特長とは
京セラは1993年、日本で初めて家庭向けに太陽光発電システムの開発・販売を行いました。京セラの商品を専門で販売する会社である京セラソーラーコーポレーションによって販促されていたため、シャープのように京セラもOB顧客が全国に存在します。
京セラの蓄電池には単機能型とハイブリッド型がありますが、2019年度においては単機能型12kWh、ハイブリッド型6.5kWhが、ハウスメーカーのリフォーム部門で堅調に推移しているようです。ここでは、住宅用蓄電システムの単機能型12kWh(型式:EGS-LM1201)の特徴をご紹介します。
- 京セラの家庭用蓄電システムのシェア
-メーカー別出荷台数のシェアは4%で上位6位- - 京セラの蓄電システムの価格
-単機能型12kWhの希望小売価格は370万円- - 京セラの単機能型12kWhの特長
-大容量の12kWhと多彩な運転モード選択が可能- - 京セラの単機能型12kWhを選ぶメリット・デメリット
-製品保証15年と災害補償10年は長所、停電時の機能が不十分なのは短所- - 製品の仕様
-単機能型12kWh(型式:EGS-LM1201)-
京セラの家庭用蓄電システムのシェアメーカー別出荷台数のシェアは4%で上位6位
京セラの2019年度の家庭用蓄電システムのシェア*は4%と上位6位となっています。そのうち単機能型でのシェアは9%と上昇することから、単機能型が売れ行きだということがわかります。また、単機能型12kWhは2015年に発売されて現在でも堅調なため、京セラの家庭用蓄電システムのなかでもロングセラーと言えるのではないでしょうか。
ただ、京セラも太陽光発電システムが老舗であるため、2012年からは蓄電システムのシェアNo.1のニチコンと共同で製品を開発するなど行っており、ニチコンの単機能型12kWhも同じような機能で希望小売価格も370万円と同じ価格となっています。
*出典:蓄電池専門誌「リチャージ」No.6 株式会社アスクラスト2020年7月発行
京セラの蓄電システムの価格単機能型12kWhの希望小売価格は370万円
単機能型で12kWhの希望小売価格は370万円となっており、同じ単機能型で12kWhのニチコンと同じ内容で金額も変わりません。同じ単機能で近しい蓄電容量のスマートソーラーの11.8kWhなら半額以下という金額になるため、京セラやニチコンの蓄電池は割高になることがわかります。
単機能型12.0kWhに近しい家庭用蓄電システムの価格
メーカー名 | 京セラ | ニチコン | スマートソーラー |
---|---|---|---|
停電時の電気供給エリア | 単機能 | 単機能 | 単機能 |
型番 | EGS-LM1201 | ESS-U2L | SBG4-12A |
蓄電容量(kWh) | 12.0 | 12.0 | 11.8 |
停電時の電気供給エリア | 特定負荷 | 特定負荷 | 全負荷 |
製品保証期間 | 15年 | 15年 | 15年(有償) |
自然災害補償期間 | 10年 | なし | 10年 |
定価(税抜き) | 3,700,000 | 3,700,000 | 1,180,000 |
京セラの単機能型12kWhの特長大容量の12kWhと多彩な運転モード選択が可能
単機能型の家庭用蓄電システムにおいて、蓄電容量の順ではニチコンの16.6kWh、テスラの14kWhに次いで、京セラの12kWhがあり大容量の蓄電池となっています。運転モードは押し上げ※が、有り・無しを選べるようになっています。
※昼間に使用する電気を太陽光で発電した電気ではなく、蓄電池から放電させてまかない売電量を押し上げるのが押し上げ有りになります。
特長のポイント
蓄電容量が12kWhと大容量であるため、固定価格買取制度(FIT)終了後に太陽光パネルからの余剰電力をたくさん貯めて使用したいというニーズには対応できます。また、運転モードに押し上げの有無が選択できるようになっているため、FIT期間中でもFIT満了後でも、多彩なモード設定を選択することができます。また、大容量にも関わらず蓄電池の本体は奥行が30cmと設置しやすい薄型となっている点も特長です。
機能1:12kWhと大容量の蓄電池
- 蓄電容量は12.0kWhと家庭用蓄電システムでもトップクラスの大容量となります。また、通常時は定格出力3.0kWと一般的な出力です。
機能2:売電または充電を優先する多彩な運手モード
- 太陽光売電優先モードは、日中は太陽光発電による電力を積極的に売電し、安い夜間電力を蓄電池に貯めて翌朝や日中に使用します。押し上げ有りのため、日中の太陽光発電の電力は最大限売電します。(FIT期間中におススメ)
- 経済モードは、日中は太陽光発電による電力を積極的に売電し、安い夜間電力を蓄電池に貯めて翌朝や日中に使用します。押し上げ無しのため、日中の太陽光発電の電力は自家消費して、余った電力は売電します。(FIT期間中におススメ)
- グリーンモードは、日中は太陽光発電による電力は自家消費して、余った電力は蓄電池に充電します。夕方から夜間は蓄電池に貯めた電気を使用し、深夜は安い夜間電力を蓄電池に貯めて翌朝に使用します。(FIT満了後におススメ)
システム構成機器
品名 | 形式 | 設置について |
---|---|---|
蓄電池 | EGS-LM1201 | 屋外 |
京セラの単機能型12kWhを選ぶメリット・デメリット製品保証15年と災害補償10年は長所、停電時の機能が不十分なのは短所
大容量の蓄電池のなかでも製品保証と自然災害補償が充実している点は長所ですが、各メーカーが停電時の機能を拡充しているなか、停電時に200Vの家電が使えない点や一部のコンセントの使用となる特定負荷の点は十分とはいいきれません。
長所
10kWh以上の大容量蓄電池のなかでも、購入後のサポートである製品保証15年と自然災害補償10年が最初からついている点はアフターサービスが充実しておりメリットです。特に屋外設置となると寿命や故障といった点がきになるため、長期間の保証は安心できます。
短所
また、停電時の供給エリアが一部のコンセントしか利用できない特定負荷や200Vの高い電圧が使用できないため、停電時の機能が劣る点も気になります。
昨今の自然災害による停電リスク等から各社では特定負荷だったが、全てのコンセントが使用できる全負荷にアップデートされるなど商品改良を行っているのを見ると、停電時の機能が劣っていることになります。
製品の仕様単機能型12kWh(型式:EGS-LM1201)
型式 | EGS-LM1201 |
---|---|
蓄電容量(kWh) | 12.0 |
停電時機能① 電気供給エリア |
特定負荷 |
定価(本体価格のみ) | 3,700,000 |
初期実効容量(kWh) | 10.3 |
停電時機能② 200V機器使用 |
不可 |
停電時機能③ 自立運転時出力 |
2.0kW |
電力変換効率 | 94% |
クラウド見守りサービス | なし |
AIによる最適制御 | なし |
気象警報連動サービス | なし |
製品保証期間 | 15年 |
災害補償 | 10年 |
寸法 | 蓄電池:W1060×H1250×D300(突起物含まず) |
設置場所 | 蓄電池、パワーコンディショナともに屋外設置 |
設置可能範囲 | 重塩害地域以外 |
重量 | 蓄電池:226kg |
冷却方式 | 強制空冷方式 |
使用環境温度範囲 | -20℃~40℃ |