家庭用蓄電池の価格相場とは?1kWhあたりの価格比較で見てみよう

家庭用の蓄電システムは高価な買い物ですし、住宅の設備として長期にわた(漢字なら亘る)って設置するものなので性能や品質はもちろんのこと、家庭で夜間と早朝に使う消費電力量をまかなうために必要な蓄電池の容量に加え1kWhあたりの価格を比較して、蓄電池を選択することをお勧めします。
ここでは、家庭用蓄電池の1kWhあたりの価格や工事費や製品保証などの製品以外にもかかる費用、意外と知られていない国と地方自治体の補助金について、家庭用蓄電池導入にあたってのお金にまつわる情報をご案内します。

家庭用蓄電池と初期実効容量について家庭用蓄電池の実際に使える容量

家庭用蓄電システムの主な役割はつぎの3つとなり、昨今の自然災害等による停電も多くあることから、蓄電池の容量は大きくなっている傾向にあり大きいもので約16kWh、小さいもので約4kWh前後程度の商品が現在は販売されています。

①太陽光発電システムからの電気を蓄えて夜間や早朝に使用できる自給自足の住宅
②自然災害等による停電時に電気が供給されるため無停電の住宅
③夜間の安い電気を蓄えて昼間に使用できるため家計の節約

特に、固定価格買取(FIT)制度が昨年2019年11月から順次終了していることに伴って、1.の既に太陽光発電システムを設置されている方であれば、自給自足が可能な蓄電容量を検討されているかと思います。
一つの基準として、太陽光発電システムでつくった電気を余すことなく蓄電でき、家庭で夜間と早朝に使う消費電力量をまかなうためには10kWh※以上の容量が必要となります。
また、意外と知られていないのが、蓄電池の容量には「蓄電容量」と「初期実効容量」があり、実際に使用できる値である「初期実効容量」もチェックすることをお勧めします。

「蓄電容量」・・・蓄電池内部に蓄えられる電気容量

「初期実効容量」・・・蓄電池内部に蓄えられる電気容量のうち実際に使用できる電気容量

リチウムイオン電池は過充電・過放電に弱いため、これを防ぐために、電池の容量が100%まで充電されたり、0%まで放電されたりしないように制御されています。
製品カタログに表記されている定格容量よりも、実際に使用可能(充放電可能)な「初期実効容量」があるのはそのためです。

各メーカーの「蓄電容量」「初期実効容量」

(kWh) スマートソーラー オムロン パナソニック スマートスター ニチコン テスラ
蓄電容量
初期実効容量

20●●年●月時点

家庭用蓄電池の各メーカーの容量と価格国内外メーカーの容量と価格

相次ぐ自然災害等による停電や卒FIT市場が始まったことによって、2020年度は国内外から新規参入が相次ぎ、家庭用蓄電システムを取り扱うメーカーは約20社になるとされています。トップシェアを占めるシャープ、パナソニック、ニチコンに対し、アメリカの電気自動車で有名なテスラが蓄電容量13.5kWで99万円と、格段に安い値段で2020年春から販売を予定しています。
日本でもこれまでメガソーラーをメイン事業としていたスマートソーラーがダイレクト販売を通じた家庭用蓄電システムの販売を年内に開始し、蓄電池11.8kWhとPCSで118万円(ストレージ・システム)とテスラに対抗できる位の最安水準となっています。

スマートソーラー オムロン パナソニック スマートスター ニチコン テスラ
容量(kWh)
価格(万円)
1kWhあたりの価格(万円)

20●●年●月時点

家庭用蓄電池の容量1kWhあたりの価格比較蓄電池比較の目安となる1kWhあたりの価格

家庭用蓄電池を選択するにあたって、自宅の屋根に設置している太陽光パネルの大きさからおおよその蓄電池の容量を目安にされる方、一方で限られた予算のなかで蓄電池の価格から容量を選択される方もいらっしゃると思います。
いずれにしても、1kWhあたりで価格を比較すると、検討している蓄電池がいかに割安か割高かひとつの目安となります。

家庭用蓄電システムの1kWhあたりの価格比較

このように国内大手メーカー各社の1kWhあたりの単価は24~42万円となるのに対し、後発の国内メーカーであるスマートソーラーは8万円、海外メーカーのテスラだと7万円と、ここ最近の後発メーカーが価格競争を武器に安い家庭用蓄電池を開発していることがわかります。

補助金対応機種について国(SII)と地方自治体の補助金とは

家庭用蓄電池の導入にあたっては、国と地方自治体の補助金があることが、意外と知られていません。
製品によっては、国からの補助金※(SII:一般社団法人 環境共創イニシアチブ)と自治体の補助金をダブルで獲得できる補助金対象製品となるため、さらにお手ごろに購入いただけます。

※補助金名称は「災害時に活用可能な家庭用蓄電システム導入促進事業費補助金」で公的な国庫補助金を財源としています。経済産業省資源エネルギー庁より本補助金の執行団体としてSIIが任命されました。(出典:SIIウェブサイト)

国(SII)の補助金

国は、災害時に停電が長期化した場合に備え、家庭用蓄電池システム導入時の費用の一部について補助をおこなっています。ただし、全ての家庭用蓄電池システムが対象となるわけではなく、国が年度ごとの目標価格を定めており、その目標価格を下回った家庭用蓄電池システムのみ、補助金の対象となります。

こちらが家庭用蓄電システムの目標価格の推移で、年々価格を下げることで家庭への普及拡大を後押ししています。2020年度発表時期は未定となっていますが、1kWhあたり9万円と予想されており、ついに10万円をきることになるかもしれません。(2020年6月迄申し込みができるSIIの補助金は2019年度予算で行われている為、目標価格は2019年度分を適用)
このグラフに記載されている耐用年数はSIIが定める保証年数(メーカーの保証年数とは異なる)を指しており、ここ最近においては耐用年数は15年が一般化してきています。

地方自治体の補助金

お住まいの地域によっては都道府県や市区町村といった地方自治体からの補助金も用意されているため、国と自治体のダブルで補助金を獲得できる可能性があります。

ここからは、国(SII)の補助金を獲得するための条件や流れについて、ご案内します。

国(SII)の補助金を獲得するための3つのハードル

1.補助金は予算枠があり先着順で決まっていく
2.補助金申請は個人では行えず申請代行者しか行えない
3.補助金が交付されるまで申請から3ヶ月くらい時間がかかる

国(SII)の補助金を獲得するための8つの条件(2019年度の例)

補助金申請から交付までの流れ

お客様が申請代行者へ補助金申請を依頼してから、補助金の交付まで、おおよそ3ヶ月以上の期間がかかる可能性があります。
なお、自治体からの補助金は、自治体ごとに申請タイミングや受付方法が異なるため、自治体に直接確認を行い、手続きを行う必要があります。

家庭用蓄電池の設置工事と費用現場調査から設置完了までにかかる費用

事前にご自宅に伺って現地調査を事前に行います

蓄電システムを設置する際は、必ず現地に行き、既に設置されている家庭用太陽光発電システムとの電気配線接続の確認の他、蓄電池を固定するためのコンクリート基礎を打設する必要もあり各メーカーが定める設置スペースや作業スペースが確保できるか等の確認のため、お客様のご自宅に伺って現地調査を事前に行います。

事前の現地調査が終わった後日、設置工事を行います

事前の現地調査で、家庭用蓄電池システムが問題なく設置できると確認できた後は、お客様と設置工事のスケジュールを調整させていただきます。
設置工事の作業時間は4~5時間が目安となり、設置工事の手順は、基本的には「蓄電池設置 → 電気配線接続 → 動作チェック」といった流れになります。作業は2~3人で施工することになります。

1.家庭用蓄電池とパワーコンディショナを取り付けます。蓄電池は基礎にボルトでしっかりと固定をして、パワーコンディショナは壁に取り付けます。
2.家庭用蓄電池とパワーコンディショナの配線を、室内へとつなぎこみます。
3.太陽光発電を取り付けている場合は、室内に太陽光用のパワーコンディショナが設置されているので取り外します。
4.引き込んだ配線を分電盤に接続していきます。
5.家庭用蓄電池の専用ブレーカを設置します。
6.最後に液晶モニターを設置して、蓄電池が問題なく動いているか確認して、作業完了です。
※一般的な蓄電システムの工事の流れ

そしてこれからの現場調査から施工工事費用は製品価格の中に含まれているため、明確な価格がわかりづらいのですが、おおよそ設置工事費用は30~40万円程度だと言われています。

家庭用蓄電池の製品保証・自然災害補償製品保証10年と各メーカーのオプション内容

家庭用蓄電池を導入後は、長期間、安心して使い続けたいので、アフターサービスなどのサポート体制も見ておく必要があります。
製品が故障した際の修理・交換するサービスとして、各社では製品保証10年が最初から付帯されています。また、オプション(有償)で5年間延長して、15年の保証として備えられるメーカーもあります。

また、昨今では自然災害による猛威が年々高まっていて、自然災害による補償もチェックポイントです。洪水や落雷、火災などの自然災害を原因とよる製品故障でも、修理・交換してくるサービスがあり、スマートソーラーなら無償で自然災害補償10年がついています。
このようなサービス保障は後発だからできる新たなサービスのため、新しい会社も検討の一つとしておいておくべきでしょう。

スマートソーラー オムロン パナソニック スマートスター ニチコン テスラ
製品保証10年
製品保証15年 〇※オプション
自然災害補償

20●●年●月時点

家庭用蓄電池の支払いとソーラーローン支払い方法とローン利率

住宅関連のローンには大きく分けてリフォームローンと住宅ローンがあります。リフォームローンは、担保が必要なく、審査が住宅ローンは、借入金額の上限が高いということ、返済期間を長く設定でき、金利が比較的安いことが多いです。ただ、担保が必要になることが多く、リフォームローンに比べ、審査が厳しい傾向にあります。

ここでは、蓄電システム購入にあたってローンを組む場合、リフォームローンに分類されるソーラーローンの信販会社での支払いについてご案内します。

太陽光発電システムや蓄電システムの導入に際しては、銀行や信販会社などの金融機関から低金利で融資を受けられるソーラーローンがあります。
また、15年払いといった長期の返済期間から一括払いと、支払い方法をお客様側で設定できる点も特長の一つです。

お住まいの地域や利用している金融機関によって、銀行だと住宅ローンを借りている銀行から金利の優遇の可能性もありお客様によって変わりますが、手続きが簡単という点で信販会社のソーラーローンが選ばれているようです。

主な支払い方法は、分割払いと一括払いの2通りがあり、分割払いの支払い回数は最大15年間(180回払い)で、会社によっては6ヶ月単位・1年単位で設定できるようです。

ソーラーローン金利比較表

分類 金融機関名 固定/変動 金利 返済期間 上限借入額
信販会社 セリナ 固定 2.450% 最長15年 1,000万円
オリコ 固定 2.450% 最長15年 1,000万円
ジャックス 固定 2.450% 最長15年 1,000万円
アプラス 固定 2.450% 最長15年 1,000万円
大手銀行 みずほ銀行
三菱UFJ銀行
三井住友銀行

20●●年●月時点