パナソニック 家庭用蓄電池「創蓄連携システム」S+シリーズの特長とは

家電製品で有名なパナソニックですが、蓄電システムにおいても2019年度メーカー別出荷台数は14%*と上位3番目を誇っています。太陽光発電システムと蓄電システムのセットで購入される新築ユーザーが7割を占めるそうですが、2020年度以降は蓄電システム単独での購入者限定で最大20円/kWhの余剰電力の買取プランがあるなど卒FITユーザーにも注力しています。
ここでは、業界最多の蓄電容量3.5kWh~11.2kWhのラインナップを揃える「創蓄連携システム」S+のうち最新の5.6kWh(システム形式:LJRC41+LJDB201+LJB1256)を紹介します。
*出典:「リチャージ」No.6,株式会社アスクラスト発行,2020年7月

パナソニック「創蓄連携システム」家庭用蓄電池のシェアとは蓄電池開発は1931年から開始、現在では日本のトップクラスのシェアを誇る

パナソニックの蓄電池開発は1931年からスタートしています。1959年にはコードレス電話、電動歯ブラシ等で使用されていたニカド電池の研究開発を行い、1961年にはカミソリ用の電源として日本初のボタン形ニカド電池を開発しました。その後、1994年にリチウムイオン電池の開発をおこない、電池事業を長期にわたってリードし続けています。
現在でも、パナソニックLSスマートエナジー、パナソニックホームズ、ハウジングシステム事業、電材事業等のグループ内での一貫した商流が強みで、家庭用蓄電システムにおいても2019年度家庭用蓄電池メーカー別出荷台数シェアは14%*と上位3位番目とトップクラスを誇ってます。

パナソニック「創蓄連携システム」の蓄電池価格相場「創蓄連携システム」S+ 5.6kWhの希望小売価格は210万円

パナソニックはグループ内の販売網が強みであるため、お客様のニーズに対応できるよう3.5~11.2kWhと蓄電容量のバリエーション最多であるうえに、増設時には異なる蓄電容量を選択することもできます。
「創蓄連携システム」S+ 5.6kWhにおいても希望小売価格は210万円となりますが、2台で増設した場合と、3.5kWhを増設した場合はこのような金額となっています。蓄電容量を増量してくと当たり前ですが1kWhあたりの価格は抑えられます。本来は5.6kWhの蓄電容量があるデルタ電子やエリーパワーと比較したいのですが2社共にオープン価格なっているため、スマートソーラーのハイブリッド・システム11.5kWhで比較すると金額が高いことがわかります。

蓄電容量1kWhあたりの価格

製品別 価格(円) 蓄電容量(kWh) 1kWhあたりの価格(円)
「創蓄連携システム」S+5.6kWh 2,100,000 5.6 37.5
「創蓄連携システム」S+5.6kWh+3.5kWh 3,150,000 9.1 34.6
「創蓄連携システム」S+5.6kWh 2,100,000 5.6 37.5
「創蓄連携システム」S+5.6kWh+3.5kWh 3,150,000 9.1 34.6
「創蓄連携システム」S+5.6kWh+5.6kWh 3,580,000 11.2 31.9
スマートソーラーのハイブリッド・システム 1,150,000 11.5 10.0

パナソニック「創蓄連携システム」S+ 5.6kWhの特長フレキシブルな増設と200Vトランスユニット追加による停電時機能の充実

パナソニック「創蓄連携システム」S+ 5.6kWhは、5.6kWhの2台設置や3.5kWhを増設することで11.2kWhや9.1kWhへ蓄電容量を増やすことができ、暮らしに合わせて最適な蓄電システムを設定できる点が特長です。例えば、初期投資を抑えるため最初は5.6kWhを導入した後、自家消費のために5.6kWhの2台設置や災害時の備えから3.5kWhを増設するといったことが可能です。
また、蓄電池ユニットを2台設置したシステムに200Vトランスユニット(パワーステーションS+用)を追加することで、停電時になった場合はエコキュートやIHクッキングヒーターといった高い電圧200Vが使え、最大4kVAと高い出力が出せるため普段と変わらない生活を送れます。

特長のポイント

蓄電ユニットを増設する際は、同じ蓄電容量で2台目を増設できるが一般的ですが、「創蓄連携システム」S+ 5.6kWhは同じ5.6kWhを増設し11.2kWhへ容量を増やせる他、異なる3.5kWhを増設し9.1kWhへとフレキシブルに増設できる点がメリットです。
また、蓄電池ユニットを2台設置したシステムに200Vトランスユニット(パワーステーションS+用)を追加することで、停電時になった場合の自立時出力は最大4kVAと高いのが特長です。

機能1:5.6kWhから9.1kWhや11.2kWhへの増設も可能

  • 蓄電容量5.6kWhから蓄電池を新たに設置することで、9.1kWhや11.2kWhにも変更することができます。

機能2:200Vトランスユニットの追加で200V機器使用可能で自立時出力は4kVA

  • パワコンディショナのパワーステーションS+(本体)を1台につき、蓄電池ユニットを2台接続したシステムに200Vトランスユニット(パワーステーションS+用)を追加することで、停電時でもエコキュートやIH調理器が使えます。
    • また、自立時の出力が最大4 kVAのため、冷蔵庫や照明器具をずっと使いながら、炊飯器やIH調理器が使える他、エコキュートでお湯を沸かしながらエアコンも使えます。

機能3:AIサービス(AiSEG2)と連携することでエネルギーの最適制御

  • 1.AIソーラチャージ機能は、翌日の天気予報が晴天なら、太陽光発電からの余剰電力を蓄電池ユニットに充電。晴天以外なら、当日の夜間の安い電気を蓄電池ユニットに充電し高い電気の購入を抑制します。
    • 2.気象警報連動は、大雨や暴風などの災害警報が発せられると、停電に備えて自動で蓄電池ユニットに充電します。
      • 3.カスタム運転モードは、契約している電気料金プランに合わせて自動で充放電します。夜間の安い電気を蓄電池ユニットに充電、日中は利用に応じて放電し自動対応します。

システム構成機器

品名 型式 設置について
蓄電池ユニット LJB1256 屋内・床置き
パワコンディショナ LJRC41(パワーステーションS+) 屋側・壁掛け
充放電コンバータ LJDB201 屋側・壁掛け
200Vトランスユニット(パワーステーションS+用・4 kVA・据置) LJTR241 屋側

パナソニック「創蓄連携システム」S+ 5.6kWh のメリット・デメリットフレキシブルに蓄電容量増設は長所だが、金額が高い点が短所

長所

特長でもご紹介しましたが、蓄電容量を5.6kWhから9.1kWhや11.2kWhへの増設がフレキシブルに可能なことと、200Vトランスユニット(パワーステーションS+用)を追加することで200V家電が使用可能といった停電時の機能は充実しています。

短所

一方で、蓄電容量5.6kWhで金額210万円と金額が高い点が短所です。それに加えて、200V機器の使用や自立出力4kVAといった停電時の機能を有するには、増設した蓄電池ユニットの費用と50万円もする200Vトランスユニット(パワーステーションS+用)、200Vトランスユニットの設置は屋外でコンクリートの基礎工事等が必要なため工事費用も発生します。さらに、家じゅうのコンセントが使用可能な全負荷型にするには、電力切替ユニット(60Aタイプ)単相3線用を設置する必要があり32万円かかります。

製品の仕様「創蓄連携システム」S+ 5.6kWh

基本パッケージ
型番 PLJー255GM1RN1
蓄電容量(kWh) 5.6
停電時機能①
電気供給エリア
全負荷
※電力切替ユニット(60Aタイプ)単相3線用設置が条件
定価(本体価格のみ) 2,100,000
初期実効容量(kWh) 4.4
停電時機能②
200V機器使用
可能
※200Vトランスユニット(パワーステーションS+用 4kVA 据置)設置が条件
停電時機能③
自立運転時出力
4.0kW
※200Vトランスユニット(パワーステーションS+用 4kVA 据置)設置が条件
電力変換効率 (太陽光/蓄電池)96.5%/92%
クラウド見守りサービス なし
AIによる最適制御 あり
気象警報連動サービス あり
製品保証期間 10年
(有償で15年有り)
災害補償 なし
寸法 蓄電池ユニット:W480×H610×D230mm
パワコンディショナ:W706×H407×D214mm
充放電コンバータ:W520×H407×D214
設置場所 パワコンディショナは屋外設置
蓄電池は屋内外設置
設置可能範囲 海岸から500m以上(外海は1km以上)離れた場所に設置
重量 蓄電池ユニット:約68kg 、パワコンディショナ:約29kg、充放電コンバータ:約16㎏
冷却方式 自然空冷(内部拡散ファン付き/PCS)
使用環境温度範囲 蓄電池ユニット:0℃~+40℃、パワコンディショナ:-20℃~+50℃


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