長州産業の家庭用蓄電池ハイブリッド蓄電システム・スマートPVの特長とは

長州産業は住宅関連機器の製造販売を行う会社として、1980年に設立されました。昨今でも太陽光発電システムは、本社において太陽電池の研究・開発・製造から太陽光パネルの組み立てを一貫して行っています。一方で、蓄電システムにおいては、自社開発は行っておらず、他メーカーで開発・製造したものを長州産業のブランドとして販売を行っています。
その蓄電システムには、単機能型のスマートe-ストレージ、ハイブリッド型のスマートPV
があります。卒FITユーザーの方、太陽光発電用のパワーコンディショナも10年近く経ち買い替えタイミングであるため、ここでは太陽光発電用と蓄電池用のパワーコンディショナが1つになったハイブリッド型のスマートPV(型式:CB-HYB04A)をご紹介します。

長州産業の家庭用蓄電システムのシェア蓄電システム、メーカー別の出荷台数シェアは15%と第2位

蓄電システムのメーカー別シェア2019年度では長州産業は15%*と第2位となります。太陽光パネルの開発・製造を行っているため太陽光発電システムと蓄電システムのセット販売が基本となるため、卒FITのお客様より新築向けのお客様が大半を占めていると思われます。また、長州産業には販売を担う特約店があり、年間で最大2,000台の蓄電システムを販売し躍進に寄与しているようです。
さらに2020年7月には、新電力のみんな電力と協業して電力プランの提供を行うことで差別化を図っています。

*出典:蓄電池専門誌「リチャージ」No.6 株式会社アスクラスト2020年7月発行

長州産業の蓄電池価格ハイブリッド型スマートPVは蓄電容量6.5kWhで希望小売価格283万円と割高

長州産業のスマートPVはオムロンで製造され長州産業のブランドとして販売をされており、販売価格は蓄電システム本体の255万円にケーブルや分電盤等の部材として28万円をセットで購入することになり283万円(税抜き)となります。

この販売価格を蓄電容量6.5kWhに近しい他メーカーと比較するため、1kWhあたりの価格で示した表を見ると、一番高い価格となりました。停電時の供給タイプでも限られたコンセントしか使用できない特定負荷となるため割高になってしまいます。

ハイブリッドタイプの蓄電容量1kWhあたりの価格

メーカー名 蓄電容量(kWh) 蓄電容量1kWhあたりの価格(万円) 停電時供給タイプ
長州産業 6.5 43.5 特定負荷
京セラ 6.5 41.3 特定負荷
シャープ 6.5 40.0 全負荷
田淵電機 7.04 22.7~19.8 全負荷

長州産業のハイブリッド型スマートPVの特長30dBの静音設計と製品保証15年・約21年の長寿命

スマートPVはオムロン製の6.5kWhと外観や質量は同じとなるため、屋内設置製品として重要なコンパクト性を紹介するとオムロンの蓄電システムと重複するため、スマートPVしかない静音性、長寿命やアフターサービスについてご案内します。

特長のポイント

蓄電池ユニットは屋内設置となるため、幅や奥行ができるだけ小さくコンパクトであることも大切ですが、運転時の音も静かであることも重要です。
一般的な蓄電池の騒音が35~40㏈(デシベル)と言われているなか、スマートPVは30dBを下回り、これは人のささやく声や深夜の郊外の時の音と同じくらいの騒音となり、うるさいという印象は持たれないかと思います。
また、蓄電池の製品保証は10年が多く有料のオプションで15年と延長できるなか、長州産業の製品保証は最初から15年となっている点は安心できます。さらに、蓄電池の充放電サイクルが約8,000となっており、約21年間*も製品を使えることになります。

*1回の充放電を1サイクルと呼び1サイクルを1日行うと想定。8,000サイクル÷365日=21.9年間。

機能1:売電から自家消費までライフスタイルに合わせて選択できる運転モード

  • 経済モードは、昼間の余剰電力は売電して、前日の夜間電力を蓄電池に充電することで、朝と夕方は蓄電池からの電気を使います。夜間の安い電力を購入し蓄電池に貯めながらも、太陽が出ている日中は売電することで支払う電気代を削減します。
    • 安心モードは、万が一の停電に備えるため蓄電池の残量をある一定量確保(経済モードの場合は0%~30%確保)することで、夜間や太陽が出ていない昼間の停電でも蓄電池からの電気を使えるようにします。(確保する一定量は下限値を0%~100%の間で設定可能となっています)
      • グリーンモードは、余剰電力を蓄電池に貯めて、朝夕のみならず夜間にかけて、蓄電池からの電気の供給を可能にする自家消費優先のモードです。

機能2:ハイブリッド型だから直流にする変換ロスを抑えて充電可能

  • 太陽光発電のパワーコンディショナと蓄電池のパワーコンディショナが別々だと、[直流→交流]→[交流→直流]と2回の変換が必要となり、その際に変換ロスが生じてしまいますが、ハイブリッド型の場合は交流に変換する必要がないため、直流の電気をロスが少ない状態で蓄電池に充電できます。

機能3:スマートPVは蓄電池ユニット2台設置することで蓄電容量13.0kWhも可能

  • 蓄電容量6.5kWhだと物足りないという型には、スマートPVの蓄電池ユニットを2台設置することで蓄電容量13.0kWhと大容量にすることも可能です。ただし、その場合の価格は、一台目の283万円に二台目の蓄電システム本体247万円に22万円の部材セットが追加で発生し、合計で552万円とたいへん高額となります。

システム構成機器

品名 形式 設置について
蓄電池ユニット CB-LMK65A 屋内・壁面に床置き・ネジ止め
ハイブリッドパワーコンディショナ PCS-55RH2A 海岸から500mを超える地域の屋外に設置*1
DC/DCコンバータ DCS-22RH2A 海岸から500mを超える地域の屋外に設置*1
計測・操作ユニット MHCS-M02A 屋内・壁面取付

*1 海水の波しぶきが直接かからない場所、直射日光が当たらない場所、揮発性、可燃性、腐食性およびその他の煙、ガスにさらされない場所等に設置してください。

長州産業を選ぶメリット・デメリット製品保証15年と寿命約21年間は長所だが、停電時の機能と割高が短所

製品保証10年間というメーカーが多い中、製品保証15年が無償で付いている点と、蓄電池ユニットを約21年間も使用できる点は、安心して長い期間使用できるのでメリットです。
また、蓄電池ユニットは幅が約45㎝と奥行12㎝と小さく、重さも約52kgと軽量のため、屋内に設置しても邪魔になりにくく、運転時の音も30dBと、これは人のささやく声や深夜の郊外の時の音と同じであるため静かです。

長所

蓄電容量6.5kWhの中でも、蓄電容量1kWhあたりで見ても価格が高くなり、容量が少し大きいタブ電機の7.04kWhなら蓄電容量1kWhあたりの価格は約半額となります。
また、停電時の機能を比較してみると、停電時には特定のコンセントしか使用できない特定負荷であり、IH調理器、エコキュートや大きいエアコンといった200V機器は使用できないので、停電時の機能は物足りません。

短所

また、停電時の供給エリアが一部のコンセントしか利用できない特定負荷や200Vの高い電圧が使用できないため、停電時の機能が劣る点も気になります。昨今の自然災害による停電リスク等から各社では特定負荷だったが、全てのコンセントが使用できる全負荷にアップデートされるなど商品改良を行っているのを見ると、停電時の機能が劣っていることになります。

ハイブリッドタイプの蓄電容量1kWhあたりの価格

メーカー名 蓄電容量(kWh) 蓄電容量1kWhあたりの価格(万円) 停電時供給タイプ 停電時200V使用可否
長州産業 6.5 43.5 特定負荷 ×
京セラ 6.5 43.5 特定負荷 ×>/td>
シャープ 6.5 40.0 全負荷
田淵電機 7.04 22.7~19.8 全負荷

製品の仕様ハイブリッドのスマートPV(型式:CB-HYB04A)

システム型番 CB-HYB04A
蓄電容量(kWh) 6.5
停電時機能①
電気供給エリア
特定負荷
定価(本体価格のみ) 2,550,000円
初期実効容量(kWh) 5.4
停電時機能②
200V機器使用
不可
停電時機能③
自立運転時出力
1.5kW
電力変換効率 (太陽光/蓄電池)96%/非公表
クラウド見守りサービス なし
AIによる最適制御 なし
気象警報連動サービス なし
製品保証期間 15年
災害補償 なし
寸法 蓄電池ユニット:W452×H656×D120mm
PCS:W650×H493×D222mm
DC/DCコンバータ:W420×H493×D222
計測・操作ユニット:W130×H260×D60mm
設置場所 蓄電池ユニット、計測・操作ユニットは屋内設置
PCS、DC/DCコンバータは屋外設置
設置可能範囲 海岸から500mを超える場所(重塩害対応タイプは海岸から500m以内で直接、海水しぶきがかからない場所)
重量 蓄電池ユニット:約52kg
PCS:約29kg
DCDCコンバータ:約16㎏
計測・操作ユニット:約800g
冷却方式 自然空冷
使用環境温度範囲 蓄電池ユニット:-10℃~+40℃
PCS、DC/DCコンバータ、計測・操作ユニット:-20℃~+50℃


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